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RobotCapek
biography

Vocal&Guitar:吉川
Guitar:6
Bass:マヤ
Drums:Jyo


★第2部★

S「それでは、続きをお願いできますか?」

B「ああ。(新しい葉巻を取り出し、火をつける)
「バンドやるから、帰国しない?」そう言われた時は本当に驚いた。アンビリーバブル。これぞまさに、青天の霹靂、ってやつさ。」

S「そうでしょうね。」

B「でもヨシリンコ、あ、これは吉川のもう一つのニックネームなんだけど、ヨシリンコはこんな嘘を言って僕をからかうような奴じゃないってことは長い付き合いでとっくに分かっていた。
だからこそ、本当に僕は驚いたし、戸惑った。

「考えさせてくれ。」

そう言って僕はヨシリンコの電話を切った。
2年ぶりくらいの電話は、ほんの30秒で終わった。」(ジンジャーエールに入っていた氷を齧る。)

S「それが2年ぶりの連絡だったんですか...」

B「ああ。2年ぶりの連絡がそれさ。クレイジーだろ?(笑)

考えさせてくれと言ったからにはじっくり腰を落ち着けて、ヨシリンコのこと、音楽の事、今の仕事の事、そういう事を熟考しようと思った。
なのに僕は気がついたら再び受話器を取って、空港にかけて、日本行きのチケットを予約していたんだ。」

S「それは...また随分思い切りましたね。
失礼ですがその後お仕事はどうなったのですか?」

B「どうしたもこうしたも酷いもんさ(笑)
チケットを予約した次の日、僕はオフィスに行って上司にその事を報告した。
あの時のことは今でも忘れられないな。
なにせいつも温厚なジェントルマンだったボスが顔を真っ赤にして僕にカレーを投げつけてきたんだからね(笑)」


イラスト
     カレーをぶつけられ半泣きの渡辺

S「(笑)」

B「おいおい、笑うなんて酷いな(笑)
もちろん僕はクビになった。残っている仕事なんてどうでもいい。
さっさと国に帰っちまえよこのクソ野郎って、そう言われた。
今までの努力が、仕事が、築き上げてきた人並み以上の生活が、

「親友とバンドを組みたいので日本に帰らせてください。」

その一言ですべてパアさ。
その日を境に、僕の生活は完全に変わってしまうというのを肌で感じたよ。」

S「私の名前が堺、だけにね...(爆笑)」

B「でも僕は後悔なんて微塵もしなかった。むしろやってやったぜとすら思った。
不思議な高揚感があったよ。
あの時見た夕焼けを、僕は一生忘れないだろうな。

まあ、僕の尻拭いをさせてしまったボスや同僚達には本当に申し訳なくて、今でもアメリカの方へは足を向けて寝られないんだけどね(笑)」

S「そして満を持しての帰国、という訳ですね。」

B「と、いうことになるね。(足元に落ちていた笹の匂いを嗅ぎながら)
久しぶりに戻ってきた日本は相変わらずゴチャゴチャして、粗雑で、でも懐かしくて、故郷の匂いがした。
そして僕は帰国してからとてもインポータントな事実に気づいてしまった。
あれ、ヨシリンコはどこにいるんだろうってね。
そう、僕はヨシリンコの連絡先を一切聞かずに帰ってきてしまったんだ!」

S「それは...いきなり前途多難ですね。」

B「前途多難、うん、まさにその言葉がピッタリだ。お先真っ暗さ(笑)
まず思ったのは今日どこに泊まろうかってこと。
僕は完全にヨシリンコの家へ泊まる気でいたからね。
もちろん実家になんて帰れない。帰れる訳がない。

ホテルへ泊まろうにもこの先ヨシリンコに会えるかどうかも定かでないんだから適当な所へ泊まって次の日彼女を探して、見つからなかったらまたホテルへ...なんて悠長なことをやっていたらあっという間にお金は底をつきてしまう。
日本に着いた途端に僕は途方へ暮れてしまったよ。」

S「それでどうしたんですか?」

B「うん...あまりにも希望の見えない展開に絶望しかけた時、ふと僕はある光景を思い出した。
ヨシカワンダバーと、あ、ヨシカワンダバーって言うのは吉川の(以下省略)

ワンダバーと一緒に遊んだ河原を思い出したのさ。
一か八か、僕はそこへ行ってみようと思った。
一緒に遊んだと言ってももう十数年も前のこと。彼女がそこにいる可能性なんてゼロに近い。
そもそもその場所すら忘れているかもしれない。
実際僕だって今の今まで忘れていた。でも行って見ようと思ったんだ。
もし僕たちが出会うことが必然ならば、必ず会えると思ったんだよ。」

S「なるほど、可能性に賭けたわけですね。」

B「そうさ。これこそ溺れる者は藁をもつかむってやつさ。」

S「場所が河原だけにね。(爆笑。笑いすぎてむせる。)」

B「僕は急いでその河原へと向かった。
着いた頃にはすっかり日も暮れていたよ。人影なんか、なかった。
僕は自分で自分に苦笑してしまったよ。
そりゃそうだろ、ベンジー。お前が思いついたからって、ヨシカワンダバーも同じ事を考えている訳がない。彼女はお前が日本に帰ってきたこと自体知らないんだから、ってね。
すみません、ミルクティーをお願いできますか?」

S「ホットですか?アイスですか?」

B「ホットで。ジンジャーエールの飲みすぎで少しお腹が冷えてしまった(笑)
これからどうしよう。日雇いのバイトで日銭を稼いで、彼女を捜索しようか。
いやいくら日本が狭いといっても一人では無理だ。興信所を使おうか。
そう思案していた時、川の中からバシャっと何かが現れた。」

S「河童ですか!?」

B「いや、河童じゃない。その現れた何かっていうのは、紛う事なきヨシカワンダバーその人だった。
髪に藻が絡まっていても、シュノーケルに異常なほどタニシが引っ付いていても間違えるはずなんかない。
彼女は何も変わってなんかいなかった。
僕はもうすっかり気分がハイになってしまって、半泣きで叫んだよ。

「Hey bitc○! Crazy Japanese girl !! How are you!?」」

するとどうだろう、彼女はタニシだらけのシュノーケルを外すとクールに笑ってこう言ったんだ!

「Hi!Fuc○in boy Wachinabe!! Long time no see!!」

あの時の僕らと来たら、ちょっと筆舌にしがたいな。会わなかった何年もの空白が、その一瞬で消えちまったんだ。
こんなにクレイジーでハッピーなことってあるかい?」

S「すごい、本当に運命的な再開をはたしたんですね。」

B「そうだね、まあここからやっと本題に入って行くって感じなんだけど...」

第3部へ続く。
イラスト

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